「わらぐつの中の神様」  5年 光村図書



 
1 学習訓練

2 授業



  準備するもの

1 教材(教科書) 

  鉛筆で書き込んだり、蛍光ペンで塗ったりしますので、コピーをしたほうがいいでしょう。教師によっては書き 
  込みを嫌う人もいます。

  手元になければ、大きい図書館では、各社の教科書を展示していることがあります。それからコピーします。

  また、図書館でなければ、教科書の出版社で面倒を見てくれると思います。

2 蛍光ペン 2本

  基本的には何色でもかまいませんが、ここではピンクと黄色を選びました。



  1 学習訓練
 

 <基礎段階>

    この段階を訓練するには、下の学年の教材を使うといっそう効果的です。内容や構造が簡単で文章が
    短い
1年生か2年生の教材が訓練にいいです。

    5年生のこの時期ですと自力でもできると思います。

   はじめから自分で出来ると思います。

 

0 題「わらぐつの中の神様」を読んで考える。

  何のことが書いてあるのかな。

    題の下に鉛筆で簡単にメモする。単語だけでいいです。

    いろいろな考えがあっていいのです。どれが間違いということはありません。

    自由な発想をする習慣ををつけるようにしたいものです。

1 全文を通読する。  

 
  通読しながら、読めない漢字や意味の分からない言葉に鉛筆(後で消すため)で印(簡単なものを自分で決め
 ていい)をつける。

  読めない漢字には、聞いたり教材文の欄外を参考にして仮名を振る。読めるようになったら消す。

 2 初読の印象を話したり、書いたりする。

     どんな感じ(おもしろかった、つまらなかった)がするか。

     中心人物は誰かな。→マサエ、 おみつさん

     好きな人物は→マサエ、おみつさん、若い大工さん、おばあちゃん、おじいちゃん

     書く場合は、長く書くのではなく、5分くらいで、5行程度書ければいいです。

     もちろん、書きたい子には与えられた時間内であればいくら長くてもいいのです。


 3 題「わらぐつの中の神様」を手がかりに何のことが書いてあるか    考える。 


     「わらぐつ」というのはどんなものか。→挿絵にある。
     「わらぐつ」にいる神様のことがかいてある。
     「わらぐつ」の中に神様はいるのかな。

 

 4 語り手が誰か考えてみる。

       その物語を話してくれている人がいます。姿は見えませんが、その場面を見てその様子を話してくれる人がいるの
      です。語り手は、いつでも、どこえで も瞬間的に移動できます。出てくる人物の姿を私たちに見えるように描写した          りその人物の心の中を語ったりしてくれます。語り手は、作者が創り出した人物 ですが、作者ではありません。

     語り手の姿は見えませんが、語り手が登場人物の傍にいることがあります。その登場人物の目を通してその場面を
     私たちに語って聞かせてくれます。話してくれている人は誰でしょう。

     マサエでしょうか。おばあちゃんでしょうか。おみつさんでしょうか。


 5 視点人物は だれか。カメラの位置はどこか。

       語り手は、自分の目で見たり聞いたりしたことを語ってくれますから、私たちはその世界を追体験することができるの
      です。

     語り手は、時には、登場人物(視点人物)の目に なって語ることもあります。その時は、その人物の目から見た世界を
     見ることになります。その人物の心を知ることができます。

      ですから、私たちが見る世界は、その視点人物の目がその世界を映し出しているカメラの位置ということになります。
     したがって、その世界の映り方が違います。
 たとえば、「我輩はねこである」では、語り手が猫ですから、猫の高さから見
     える世界ということになります。私たちが垣根に止まっているカラスを見ている絵と猫から見えているからすとは違って映     るはずです。
  
   
      また、語り手はいつでも、どこにでも移動できますから、
物語の途中で視点人物が代わる(カメラの位置が代わる)こ
     ともあります。
大相撲中継でも横からだけでなく、天井から移すことがあります。横から移している時でも、東西南北の  
     どこからでも映すことができるでしょう。

      その場面の世界を正確に想像するためには、
カメラがどこにあるか(視点人物がどこにいるか)が大きな手がかりに
     なります。

      このお話は、場面によって語り手が変わっています。考えてみましょう。

      現在の画面は、マサエが主になります。
      過去の場面は、おみつさんが主になっています。

 6 重要語句(題にある言葉)を指摘し、蛍光ペンで塗る。 

 

           「わらぐつ」→黄色でぬる。

       「神様」→ピンクでぬる。

       見落としがあってもかまいません。後からの読みで修正すればいいのです。

 

 7 文末表現を指摘する。 

      文末表現だけを見ていくのです。

      物語の場合は、敬体の過去形が大部分ですが、中には現在形の文も混じっています。

      はじめの行は、現在形です。「雪がしんしんとふっています

      これは、読み手に臨場感を持たせるために使われています。そこに気づくだけでいいです。 

      現在形だけを見つけていってください。

 8 物語の三要素を明らかにする。

   (1) 場面

      ア 時を考える。

         このお話では、現在→過去→現在と変わっていきます。

         季節→現在の場面 ある冬の日の夕方(おじいちゃんが風呂に出かけた後から、戻ってくるまで)

             過去の場面 ある冬が近い秋(何日間かにわたっています)

      イ 所を考える。

         現在の場面→風呂屋が近くにある街。

         過去の場面→田舎と近くの町と朝市。


   (2) 登場人物を 書き抜く。

      はじめは、登場順に書き抜きます。

         マサエ、おばあちゃん、(お父さん)、お母さん、おみつさん、おかみさん、お父さん、                           お母さん、弟、妹、わかい大工さん、おじいちゃん、

      ある程度読み込んでからまとめてみる。

         現在→マサエ、おばあちゃん、お母さん、登場していない(おじいちゃん)、(お父さん)

         過去→おみつさん(実はおばあちゃん)、おみつさんのお母さんとお父さん、おみつさんの弟と妹、

              わかい大工さん(実はおじいちゃん)、げた屋のおかみさん

  (3) できごと(どうして、どうなった)

         マサエがおばあちゃんから、「「わらぐつの中の神様」の話をきく。

         おみつさんが、かわいい雪げたがほしくなって、「わらぐつ」をあんで市に行き、わかい大工さんに出会い、お嫁
         さんになる。

         おみつさんがおばあちゃんだったこととおじいちゃんがわかい大工さんだったことに気づいたマサエは、ちょうど
         帰ってきたおじいちゃんを迎えにげんかんへ飛びだしていった。

 9 会話文の上に誰が言っているかを書く。

      脚本のように書くのです。間違っていてもいいです。もちろん鉛筆で書きます。

10 大きく幾つ(幾つの場面)に分かれるか考える。

     物語は、大きくは、原則として「起・承・転・結」の4場面に分けられます。

     「わらぐつの中の神様」には、行空きが2ヶ所あります。それで3場面です。1番長い2の場面が2つに分かれます。

     どこで分かれるかは、とき・ところを手がかりにし、そこに登場している人物について考えます。

11  どの場面が山場か予想する。

      これはまったくの予想でいいです。山場を考える習慣をつけます。

      普通山場は、物語の後半になります。「結」の部分か、その直ぐ前の場面ということになります。

 <整理段階>

  次のような表に記入します。


場面   時   所  中心人物   支える人物 視点人物
 1冬の夜(現在)
マサエの家
茶の間と台所
 マサエ お母さん、おばあちゃん 語り手
 マサエ
 2冬の近い秋の朝
毎晩(過去)
おみつさんの家
朝市のたつ町
 おみつさん お父さん、お母さん、弟、妹
 げた屋のおかみさん
 語り手(マサエの    おばあちゃん)
 おみつさん
 3秋の朝(過去)
朝市
おみつさんの家
 おみつさん わかい大工さん 語り手(マサエの    おばあちゃん)
 おみつさん
 4冬の夜(現在)マサエの家
茶の間と台所
(玄関)
 マサエ お母さん、おばあちゃん 語り手
 マサエ

 1 この物語の構成について

   普通の物語は、時間の経過とともに話が進んでいきますが、この物語は少し違っています。

    1の場面と4の場面はつながっていますが、その間におばあさんの話(2と3の場面)が挿入されています。 

    現在(1の場面)ー過去(2と3の場面)ー現在(4の場面)という構成になっています。過去の場面でもおばあさんの回想を     聞いているマサエにとっては時間が続いていることになります。

    この物語は、マサエが主人公の話とおみつさんが主人公の話が展開しているといえます。ですから、中心人物が、2人いる    ことになります。

 2 中心人物とそれを支える人物を指摘する。

      前に書き抜いた人物の中から、中心人物(主人公)を見つけるのです。

      後は程度はありまが総て支える人物ということになります。

 3 挿絵にタイトルをつけてみる。

      いろいろな考えがあっていいです。中心的なことをまとめる力を養います。

      どこか1つの挿絵を取り上げるだけでもいいです。

 3 挿絵に表現されている教材文の範囲を考える。

       ちょっと思考の段階に入りますが、挿絵がある場合は、その挿絵の場面が文章のどこからどこまでか考えます。

      ここもどこか1つだけでもいいです。

  


 <イメージ段階> 
 
   文章や挿絵、表を手がかりに物語の世界を自分のテレビに映し出してみるのです。

   このお話の世界を写してみましょう。

    そう簡単にはできませんから、どこか自分で映るところを映してみてください。
    最初は、挿絵を写してみるのがいいでしょう。何か聞こえてきたらしめたものです。



 <思考段階 1> 

 1 プラスイメージとマイナスイメージについて考える。

      あなたが、いいと思った人物(プラスイメージの人物)は、だれですか。

      あなたが、いい感じを受ける言葉はありませんでしたか。

      マイナスイメージの人物は登場していません。


 2 粗筋を言った り、書いたりする。

       最初は、「誰が……どうしたか、どうなったか」を2〜3行で書く。そしてから、枝 葉をつけていく。


        1の場面だけやってみてください。書くのが面倒だったら、独り言にしていってみるのもいいでしょう。

       全部考えるのは、終ってからやってみるといいです。

 3 内容上の重要語句、何回もでてくる言葉などを見つける。

 (1) 題にある言葉に関係する言葉

      鉛筆でチェックするだけにします。

        雪げた

  (2) 頻出語句

       わらぐつ

        大工さん

 4 場面ごとに、誰がどうしたかを簡単にまとめる。

      1と4の場面→マサエがどうして。

      2と3の場面→おみつさんがどうした。     

 5 場面ごとに、小見出し (小さな題)をつける。

      いろいろな考えがあっていいです。中心的なことをまとめる力を養います。

      簡単に考えられるようなところをやってみてください。

 6 呼称の変化を書き抜く。

      普通は、最後まで変わりませんが、ときには、中心人物の呼称が変わっていることがあります。これは、視点人物が代     わった時起こります。

     また、人物や物の修飾語が変化している場合があります。これは、視点人物が変わったときと視点人物の気持ちが変     化したことを表しています。

     人物で呼称が変化したり、修飾語がついているのは大工さんだけです。

 (1) 大工さん プラスイメージ

     「大工さん」は、おばあさんの話とおばあさんの話を聞いたマサエについての場面でしか     出てきません。

     3の場面

        わかい男の人(おみつさんの視点)→わかい大工さん(おみつさんの視点)大工さん(おみつさんの視点)→わか
        い
大工さん(おみつさんの視点)→あのわかい大工さん(おみつさんの視点)→あの大工さん(おみつさんの視点)→        あの大工さん(おみつさんの視点)→その大工さん(おみつさんの視点)大工さん(おみつさんの視点)大工さん        (おみつさんの視点)→おれ(大工さんの会話)→おれ(大工さんの会話)→おれ(大工さんの会話)→この大工さん         (おみつさんの視点)大工さん(おみつさんの視点)→おれ(大工さんの会話)→おれ(大工さんの会話)大工さ         ん(おみつさんの視点)

       4の場面

        わかい大工さん(おばあちゃんの視点)→その大工さん(マサエの視点)→大工さん(マサエの視点)→その大工さん        (マサエの視点) 

 (2) わらぐつ マイナスイメージがプラスイメージに変わっていく。

    「わらぐつ」は、題にありますから大事な言葉です。おばあさんの話への橋渡しをし、おば     あさんの話を現在のマサエにつなげています。

1の場面

    わらぐつ(おばあちゃんの会話)→わらぐつ(おばあちゃんの会話)→わらぐつ(マサエの会話)→わらぐつ(おばあちゃんの   会話)→わらぐつ(おばあちゃんの会話)→わらぐつ(マサエの会話)→わらぐつ(おばあちゃんの会話)→わらぐつ(おばあ    ちゃんの会話)

2の場面

   わらぐつ(語り手の視点)→わらぐつ(語り手の視点)→おかしなわらぐつ(うちの人の会話)→そのわらぐつ(語り手の視点) 

3の画面

   わらぐつ(語り手の視点)→わらぐつ(おみつさんの会話)→わらぐつ(口の悪い人の会話)→不細工なわらぐつ(おみつさん    の視点)→そのわらぐつ(わかい大工さんの視点)→みっともよくねえわらぐつ(おみつさんの視点)→わらぐつ(語り手の視    点)→そのわらぐつ(語り手の視点)→このわらぐつ(わかい大工さんの視点)→わらぐつ(語り手の視点)わらぐつ(語り手   の視点)わらぐつ(語り手の視点)わらぐつ(語り手の視点)→そのわらぐつ(わかい大工さんの会話)→わらぐつ(おみつ   さんの視点)→わらぐつ(おみつさんの視点)→わらぐつ(おみつさんの視点)→不恰好なわらぐつ(おみつさんの視点)→お    らの作ったわらぐつ(おみつさんの会話)→おまんのわらぐつ(大工さんの会話)→じょうぶでいいわらぐつ(大工さんの会話)   →あんな不恰好なわらぐつ(おみつさんの会話)→わらぐつ(大工さんの会話)→わらぐつ(大工さんの会話)

4の場面には、「わらぐつ」という言葉は出てきません。

 

 (3) 雪げた プラスイメージ

1の場面にはありません。代わりに「スキーぐつ」が出てきます。


2の場面

    かわいらしい雪げた(おみつさんの視点)→その雪げた(おみつさんの視点)その雪げた(おみつさんの視点)あの雪げ     た(おみつさんの視点)→この雪げた(おみつさんの視点)→赤いつま皮の雪げた(おみつさんの視点)→雪げた(おみつさ    んの視点)→雪げた(おみつさんの視点)→きれいな雪げた(妹の視点)→あの雪げた(おみつさんの視点)→あの雪げた     (おみつさんの視点)→その雪げた

3の場面には、出てきません。

4の場面

    赤いつま皮のかかったきれいな雪げた(マサエの視点)→この雪げた(マサエの視点)→赤いつま皮の雪げた(語り手の視    点) 


 4  中心人物の気持ちが書いてある文を指摘する。

     会話や地の文で直接表現されている気持ち、行動・表情・情景や他者の言動などで間接的に表現されている文を見つけ    るのです。


<思考段階 2> 比較の思考をする。 
 

  比較とは、2人あるいはそれ以上の人物(もの、事件)を比べ、同じところや違うところを指摘して考えることです。

 何と何を比べるかを見つけるのは結構難しいです。比べる価値があるものを見つけなければなりません。

 まず、人物を比べてみましょう。

  1 マサエとおばあちゃん

  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

      女という点では同じです。
      同じ家族であることもいえます。
      マサエもおばあさんも元気です。

      後はありそうもありませんね。

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。
 
     年が違いますね。おばあさんと孫です。マサエは、小学生高学年でしょうね。
     もちろん外見が違います。

     では、外見でないところで違うことはないでしょうか。もちらん経験が違います。
     そうです。思っていることが違います。

     わらぐつについてです。1の場面では、

      マ サ エ →みったぐない。外見でいっている。
               神様なんていない。

      おばあさん→わらぐつはいい。あったかい。軽い。すべらない。機能についていっている。
               神様がいる。     

 2 おみつさんとわかい大工さん


  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

        わかくて年が近いということが似ています。

        その外に似ているところはないでしょうか。

        そうです。仕事についての考え方が似ていますね。

          おみつさん→はく人がはきやすいように、あったかいように、少しでも長もちするようにと編んだ。

          大工さん →使う人の身になって、使いやすく、じょうぶで長もちするように作るのがほんとのいい仕事ってもん                   だ。 

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。
 
       男と女。

       もちろん外見が違います。

        おみつさん→家の手伝いをして市場に来る。
        大工さん →独立して働いている。

     では、外見でないところで違うことはないでしょうか。もちらん経験が違います。
     
     おみつさんが作ったわらぐつについての考えが違っています。

       おみつさん→不細工なわらぐつ、みっともよくねえわらぐつ、あんな不恰好なわらぐつ

       大工さん →じょうぶでいいわらぐつ


 3 おばあちゃんとおみつさん

  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

        同じ人物ですね。

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。
 
       わかいときのおばあちゃんと現在のおばあちゃん。経験が違います。

       家族が違います。

         おばあちゃん→おじいちゃん、息子(マサエの父)、嫁(マサエの母)、孫(マサエ)

         おみつさん →お父さん、お母さん、おみつさん、弟、妹  

       神様について

        おみつさん→わらぐつの中に神様がいるとは思っていなかった。

        おばあちゃん→おじいちゃんといっしょになってからは、 「わらぐつの中に神様がいる」と思うようになった。  
       
     もちろん外見が違います。


 4 マサエとおみつさん

  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

        女。
        お父さんたちと暮らしている。

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。
 
        マ サ エ→5人家族。一人っ子。おじいさんとおばあさんがいる。
                小学生。高学年。

       おみつさん→5人家族。長女。弟と妹がいる。
                若いが、朝市まで野菜を売りにいっている。家の役に立っている。

 5 スキーぐつとわらぐつとつま皮のついた雪げた

    今度は、物について考えて見ましょう。

  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

        はきものです。
        どれも、冬にはくものです。

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。

       スキーぐつ→遊びに使うもの。マサエにとっては大事なもの。

       わらぐつ→生活用品。スキーには使えない。

       雪げた→生活用品。若い娘がほしがる。


 6 マサエの前と後

  (1) 類似→まず同じところを見つけましょう。

        同じ人物のある日の夕刻のことですから、環境と外見はかわりません。

 (2) 対比→今度は、違うところを見つけましょう。
 
        おばあさんの話を聞いた後では何が変わったでしょうか。

        そうですね。考えが変わりましたね。

        @ 神様について
           わらぐつの中に神様がいるということは、迷信だと思っていたのが、わらぐつだけでなく、「雪げたの中にも神様           がいるかもしれないね」と思うようになった。

        A おじいちゃんについて
            おみつさんのわらぐつを買ってくれたわかいだいくさんが、おじいちゃんだとわかって、赤いつま皮の雪げたを            かかえたまま、「おかえんなさあい」とさけんで、げんかんへ飛び出していった。



<思考段階 3> 

1 中心人物の人物像を考える。
 

(1) マサエ

   両親や祖父母に囲まれ、満ち足りた毎日を送っている普通の子ども。
   おばあさんの話に感動できる優しい子ども。

(2) 大工さん

   しっかりとした考えを持って毎日の仕事に精を出している。
   おみつさんの作ったわらぐつをみて、格好で評価することなく、そこにこめられている作り手の気持ちをわかることができる。
   おみつさんが懸命に努力していることを見抜くことができる。

(3) おみつさん

   自分のほしいものを自分の力で買おうとして、くじけないで懸命に努力する。
   自分でも不恰好だと思うわらぐつを積極的に売ろうとする。
   使う人のことを考えて、目的にあった品を作ろうとする。
   


 2 会話の言葉づかいを調べる。
 
(1) マサエの言葉づかい。

    母や、おばあちゃんに甘えながらも節度を持った言葉遣いをしている。

(2) 大工さんの言葉づかい。

   売り手と買い手の関係。
   年下の若い娘にていねいな言葉づかいをしている。

  
 
 3 考えの変わった人物はだれか、考えの変わらない人物はだれかを   考える。

       必ず考えの変わった人物や考えが深まった人物がいます。たいていはそれが中心人物です。また、中心人物の影響       で支える人物の考えが変化する場合もあります。

(1)変わった人物

 ア マサエ

   @「わらぐつの中に神様はいない」から、「雪げたの中にも神様はいるかもしれない」とかわっていった。
   Aおじいさんやおばあさんについても前とは変わった見方をするようになった。

イ おみつさん

  わらぐつの中に神様がいるかどうか考えもしなかったが、若い大工さんと一緒になってからは、「わらぐつの中に神様がいる」  と思うようになった。


(2) 変わらない人物

ア わかい大工さん

  いい仕事というものは、使う人の言葉を考えてするものだという考え。


 4 中 心人物の考えや気持ちがどう変わったかを考える。

(1) マサエの気持ちの変化

    「わらぐつの中の神様はいない」という考えから、おばあちゃんの話を聞いて、「雪げたの中にも神様がいるかもしれない」     と考えるようになった。

   おじいちゃんとおばあちゃんに対する気持ちがいっそう深くなった。

(2) おみつさん

   自分が編んだわらぐつを不恰好だと考えていたが、大工さんの話を聞いて、使う人のことを考えて作ったのだからと自信を    持つようになった。


 5 中心人物とそれを支える人物の関係がどう変わったかを考える。

    特に変わっていない。


 6 
読者を物語の世界に引き込むための作者の 工夫をまとめる。
 
     @ 話の構成を工夫しています。現在の出来事を述べて、読み手の興味をひきつけ、おばあさんが過去の出来事をことを       語るという話し に以って行き、実はおみつさんがおばあさんであり、大工さんがおじいさんであったという謎解きをし         ています。

    A 「わらぐつの中の神様」という読み手にとって信じられないことを題にして、何の言葉が書いてあるのだろうと興味をひ        きつけています。

    B 筋の展開の見事な工夫。
      
       はじめに、「わらぐつの中に神様」以内と思っているマサエ(読み手である子供たちも同じです)におばあちゃんが話し      始めます。

         おばあちゃんの話には、おみつさんが作った「わらぐつ」は出てきますが、「わらぐつの中の神様」は出てきません。        新しくおみつ さんがほしいと思っている「雪げた」が出てきます。おみつさんが、「雪げた」を買うために「わらぐつ」を         作って売りにいきます。一人の大工さ んだけがいつも買ってくれます。不思議に思ったおみつさんが大工さんに訳を聞       くと、訳を教えてくれて、おみつさんに「お嫁に来てくれ」といい ます。

       これでおばあちゃんの話は終ってしまいました。

       誰だって、その後どうなったか聞きたくなります。おみつさんが、具体的に聞きますが、直接答えないで、おみつさんが      推測して発見できるように話していきます。
      
 その結果、今まで謎だったことが明らかになってきます。おみつさんがおばあちゃんであり、大工さんがおじいちゃん       だったのでした。話の中に出てきた「雪げた」がマサエの目に前に現れます。ここで、マサエの気持ちが一気に高まりま      す。
      そこに、おじいちゃん(マサエにとっては、わかい大工さんのイメージが強い)が、帰ってきます。マサエは、玄関へ飛び      出していきました。

      読み手の興味を最後までつなぎ、「わらぐつの中に神様なんかいない」と思っていたマサエが、「雪げたの中にも神様が     いるかもしれない」と思うようになり、後の最後のマサエの行動で締めくくっていきます。
      読み手もマサエと同じように、
「わらぐつの中に神様なんかいない」と思っていたのが、「雪げたの中にも神様がいるかも     しれない」と思うようになの気持ちになってきます。そして、マサエの気持ちに充分同化し、感動に浸るのです。



 7  気に入った部分を見つける。

    どの場面が気に入りましたか。


 8 主題や願いについて考える。

      外見だけで判断しないで、そのものの持つ機能が充分備わっているかで判断するようにしたい。

      相手のことを考えて行動するようにしたい。


<発展段階> 


 1 自分の感想を持つ。 中心人物に手紙を書く。

     物語全体、出来事、中心人物、主題、情景、作者の工夫など。
 

 2 発展読書をす る。……読み聞かせ、集団読書、個人読書 

      似たような主題の本、考えを広げる本、同じ作者の本など。

 3  気に入った場面をイラストや絵に描いてみる。


 4 簡単な物語などを書いてみる。
 
       続き話、場面と場面 の間の話、人物への手紙、創作、詩など。

 5 部分や全体を劇にして演じてみる。




2 授 業


 授業の流れ



<目標> 

  教師によっていろいろな書き方があります。どれがよくてどれが悪いということはありません。

  わたしが現役時代に見た授業の目標を列記してみます。


 価値目標

   ・祖母の話によって、「見かけは悪くても、心のこもったものに価値がある」と、考えるようになったマサエの変容につい  て読    み取ることができるようにする。   (私の案)
   ・ものの本当の価値は、ものにこめられた真心にあるということへの共感を通して、心が通い合い結び付いていく人々の温     かい交流を読み取る。

   ・普段何気なく親しんでいる祖母が、若い頃本当の値打ちを求めて一途に生きる祖父と巡り合い、心を通わせ合うことができ    た温かい思い出を知って、共鳴し、感動して、人間や物事に対する考えを変えていくマサエの心の動きを読み取る。

 技能目標

 
 ・表現に即して、文や文章の細かい点に注意しながら、人物と人物(物事)の関係から人物像(外面・内面)をとらえ、人物の    考え方や心の動きを読み取ることができるようにする。(私の案)

  ・作品の構成や人物の気持ち、場面の情景の描かれ方の優れたところに気付き、表現の工夫について考えることができるよ   うにする。

  ・作品に描かれているものごとと人間との関係に気を付けて、人物の考え方・心の動き・人柄を味わいながら、作品の主題を    読み取ることができるようにする。


 言語目標

  ・文章の中における語句が、使い方のうえでいろいろな役割を果たしていることと、ダッシュの効果的な使い方を理解すること   ができるようにする。(私の案)

  ・常体と敬体の違いを理解し、使い分けて文章を書いたり、類義語・対義語への関心を深め、語句の範囲を広げたりすること    ができるようにする。



      第5学年国語科学習指導メモ

                                                                               日 時  平成8年11月
                                                       指導者   わたし


  単元名  三 大切なものは(物語)   光村図書 国語下巻(大地)     

  教材名  わらぐつの中の神様

  単元の目標

 1 価値目標

    祖母の話によって、

    @「物には神様なんかいない」から、「物にも神様がいるかもしれない」
    A
「見かけは悪くても、使う人の身になって、使いやすく、じょうぶで長持ちするように作るのが本とのいい仕事」

    と、考えるようになったマサエの変容について読み取ることができるようにする。

 2 技能目標

 
  表現に即して、文や文章の細かい点に注意しながら、人物と人物(物事)の関係から人物像(外面・内面)をとらえ、人物の    考え方や心の動きを読み取ることができるようにする。

 3 言語目標

   文章の中における語句が、使い方のうえでいろいろな役割を果たしていることと、ダッシュの効果的な使い方を理解すること   ができるようにする。


  指導計画(12時間扱い)


第1次   導 入

 1  単元について(大切なものは)、全文通読、新出漢字・読み替え漢字の読み、初読の感想
 2  場面分け、全文通読
 3  学習計画を考える。


第2次   詳しく読み取る。

 1 マサエの家庭のあたたかい雰囲気と、「わらぐつ」に対するマサエとおばあちゃんの考えの違い
 2 雪下駄に引き付けられ、働いて買おうとするおみつさんの心情
 3 懸命にわらぐつをつくるおみつさんの姿
 4 わらぐつが売れるまでのおみつさんの様子と心情
 5 若い大工さんのものの考え方、生き方とそれに引かれていくおみつさんの心情 
 6 マサエの価値観の変容(わらぐつ・雪げたの中にも神様がいるかもしれない)


第3次

  1 この物語で、「大事」と言う言葉にこめられていることはどんなことだろう。
  2  評価をする。
  3  「私の大事なもの」という内容の作文を書く。

 

    単位時間の指導の流れ


<1時目の展開>

1 単元について

(1) 単元名を視写し、考える。

   ・自分にとって大事なものとは

   ・発表したものを仲間わけする。形のあるもの、形のないもの

(2) どんな物語を勉強して来たか。

    ヤドカリ探検隊、麦畑、おみやげ、宇宙人の宿題、いたいいたい虫、大造じいさんとガン

(3)  これから勉強するのは  わらぐつの中の神様

2 題名を視写し、考える。

 (1) これまでの学習を考える。

     ・読んで意味が分かる題        ヤドカリ探検隊、麦畑、おみやげ、大造じいさんとガン
     ・不思議だと思う題            宇宙人の宿題、いたいいたい虫、わらぐつの中の神様

3  全文通読

(1) 「わらぐつ」と「神様」に印をつけながら、微音読する。

(2) 新出漢字、読み替え漢字を視写する。(*新出漢字、・読み替え漢字)
 
4 中心人物はだれか。
 
   ・マサエ

    ・おみつさん

    ・わかい男の人(わかい大工さん)

5  登場人物がどうなるか考えながら、範読(現在の部分のみ)を聞く。

6  マサエとおみつさんについて感想を書く。

7  次時の学習と家庭学習

    ○場面分けをする。

   ・1回、低い声で読んでくる。

   ・ 「いつのことか。どこのことか。」を考えてくる。



<2時目の展開>

1 感想を紹介する。

  ・人物について

2 学習課題の確認をする。

    ・場面を分ける。

3  「いつのことか。どこのことか」を発表する。

4 一人学びをもとに、「時・所・人物」を確認する。

(1) 「時」を表す言葉に線を引いていく。

(2) 下のような表(太字の部分は記入済み)を渡して、「時」を表す言葉を発表させながら、記入していく。

  ・所と人物については、課題とする。

           所     人  物
今夜、夕ご飯の後かたづけ マサエの家 マサエ  おばあちゃん お母さん
 おばあさんの話
  昔 この近くの村 おみつさん
    ある秋の朝 町 おみつさん  お父さん お母さん 弟 妹
     その夜 おみつさんの家 おみつさん  (お父さん お母さん 弟 妹)
    毎晩 おみつさんの家 おみつさん  (お父さん お母さん 弟 妹)
    朝市の立つ日 朝市 おみつさん
     お昼近く 朝市  おみつさん   若い大工さん
    その次の市の日 朝市  おみつさん   若い大工さん
    その次の市の日 朝市  おみつさん   若い大工さん
    その次(市の日)も 朝市  おみつさん   若い大工さん
    またその次(市の日)も 朝市 おみつさん   若い大工さん
    とうとうある日(市の日) 朝市 おみつさん   若い大工さん
  おばあさんの話終わり
夜、夕ご飯の後かたづけ後 マサエの家 マサエ  おばあちゃん お母さん  (おじいちゃん)


5  発表をもとに場面分けをする。

(1) いつのことかの順に発表する。どこのことか(どこでのことか)、登場人物についても発表する。

(2) 空行に着目して、3つに分ける。

(3) 時に着目して、現在→過去→現在に分ける。

6  感想を書く。

7 
次時の学習と家庭学習

    ○場面分けをてがかりに学習計画を考える。
      ・いくつの話からできているか考えてくる。


<3時目の展開>

1 いくつの話からできているかを発表する。

   ・2つの話

2 学習課題の確認をする。

    ・確かめたいこと、分かりたいことを考え、学習計画を立てる。


3 一人学びをする。


(1) 確かめたいことを列挙する。

(2) 4人で話し合いながらまとめる。

4  学び合い。


(1) グループから、発表する。

(2) みんなで話し合いながらまとめる。

5 場面毎に、確かめたいことを整理し、学習計画を立てる。


6  語り手、視点人物について説明する。


7  感想を書く。


8 
次時の学習と家庭学習

    ○マサエとおばあちゃんの考えの違いについて考える。

     ・マサエは、どんな子供か考えてくる。


 『わらぐつの中の神様』感想  

マサエについて

 1 マサエがわらぐつをはきたくないというのは、あたりまえだと思う。(千晶)
 2 マサエの学校では、スキーがあるのでうらやましい。(真也)

わらぐつについて

 1 ぼくだったら、そのわらぐつをはいていく。(俊一)
 2 わらぐつは、おみつさんが心をこめて、作ったものです。(崇祥)
 3 おばあちゃんが言ったことは、本当だと思いました。(あゆみ)
 4 暖かい、軽い、すべらないわらぐつをはいてみたい。(宗芳)
 5 わらぐつをはいたことがないので分からない。(仁美)
 6 わらぐつには、神様がいたということになります。(崇祥)
 7 わらぐつに神様がいるっていうから見てみたい。(宗芳、千晶)

おみつさんについて

 1 おみつさんは、お父さんが編むのを見ていただけで、すきまなくきっちりじょうぶに編んでいたというのがすごい。
   (直敬)
 2 おみつさんは、がまんのできる、とても、強い女の人だ。(良美)
 3 お父さん、お母さんにわがままを言わずに自分で働いて、お金を作ろうとしたのでえらいと思います。
   (梓、孝太、達也、藍)
 4 お父さんにだめと言われても、あきらめない。(未歩)
 5 ちょっとおみつさんが、かわいそうでした。(雅裕貴)
 6 大工さんに買ってもらって、おみつさんはうれしかったろう。(祥広)
 7 お嫁にきてくれといったとき、おみつさんも大工さんも、今もある雪げたにもみんな神様がいると思った。(祥広)

雪げたについて

 1 雪げたは、きれいに明るかったから、ほしいと思った。(彩)
 2 おみつさんは、「あなたが買ってくれたらうれしいな。」といっているように思えるほどその雪げたがほしいということが分かっ   た。(直敬)
 3 おみつさんは、すごく雪げたがほしいということが分かるような気がします。(麻奈、千代子)
 4 物ねだりしたことのないおみつさんが、どうしてもあきらめ切れないほど、この雪げたは、おみつさんの心を引きつけていた    んだなあ。(梓)
 5 おみつさんは、お嫁にくるとき、買ってもらった雪げたをはかないでしまったのが残念だ。(達也)

わたしだったら

 1 わたしだったら、おみつさんと同じことをしていたと思います。(久美子)
 2 わたしだったら、お父さんにこつを教えてもらうか、作ってもらうか、いっしょにやってもらいます。(麻奈)

大工さんについて

 1 大工さんが始めてわらぐつを買うとき、どんな気持ちでおみつさんの顔を見つめたんだろう。(直敬)
 2 大工さんは、おみつさんにとっては、いい人で神様みたいだなあ。(基)
 3 若い大工さんのプロポーズがとても変わっていたのでとても印象に残りました。(剛)

おじいちゃん、おばあちゃんについて

 1 おじいちゃんにとってもおばあちゃんは神様で、おばあちゃんがおじいちゃんにとっても神様だとおもった。(麻美)
 2 おじいちゃんは、長湯がすきだ。(卓哉)
 3 おじいちゃんがおふろ好きというのは、この物語に何の関係があるか。(亮輔)

この物語について

 1 この文章は、『今ー昔ー今』というおもしろい組み立てだとおもう。(梓)
 2 どうして、題が「わらぐつの中の神様」なのか。(美里、亮輔)
 3 私がそこにいて、おばあちゃんの昔の話を聞いているような気がする。(典子)

杉さん(作者)について

1 雪が降っていて、その雪の降る音に合わせながら、「わらぐつの中の神様」という物語をみんなに分かりやすく書いているのが  すごいと思いました。(理美)
                                     



<読取り部分の展開>

 1時目  マサエの家庭のあたたかい雰囲気と、「わらぐつ」に対するマサエとおばあ       ちゃんの考えの違い

 価値目標

   「わらぐつ」に対するマサエの考え(外見上からの価値観とわらぐつの中に神様はいない)とおばあちゃんの考え(実用上か    らの価値観とわらぐつの中に神様がいる)を指摘することができる。

 技能目標

   会話文を手掛かりに、マサエとお母さんの人物像を指摘することができる。

 言語目標

   「このさ寒いのにーー」と「……。ーーそういえば」のダッシュの意味を指摘することができる。



<展 開>

1 前時の学習を想起する。

(1) この物語の構成はどうなっているか。 現在ー過去ー現在

(2) 時・所・
登場人物   
 
(3) この物語の世界は、どんな感じがするか予想する。
 
     暖かい・冷たい・寒い、静的・動的、

2 学習課題を確かめる。


   マサエとおばあちゃんのわらぐつに対する考えは、どう違うのか。

3 本時の学習場面を音読する。


  ・時と天候を表す言葉に印をつけながら読みましょう。

4 本時場面を詳しくよむ。


(1 )登場人物の人間関係を読み取る。
    ・今、いる人はだれですか。マサエ(視点人物)、おばあちゃん、お母さん
    ・おじいちゃんとお父さんは、どこにいますか。

(2) 情景を読み取る。
    ・何時のことですか。
    ・場所はどこですか。
    ・どんな天候ですか。雪、風、気温

(3) 人物像の把握。
    ・マサエ→おばあちゃんや母に甘えている。素直。
    ・お母さん→優しくうけとめている。
    ・おばあちゃん→
優しくうけとめている。

(4)世界の把握。
    ・外の世界   寒い、冷たい
    ・中の世界   暖かい、温かい
    ・この場面は  温かい
    ・温かいのは、だれの心か。  おばあちゃん、お母さん

(5)価値観の把握
    ・マサエとおばあちゃんのわらぐつに対する考えが分かる会話はどれでしょう。
    ・視写する。
    ・価値観の違いを指摘する。

5 学習のまとめをする。

(1) 板書をもとにこの世界のイメージと二人の価値観の違いをまとめる。
(2) マサエについての感想を書く。

6 
次時の学習と家庭学習

  ○雪げたに対するおみつさんの気持ちはどう変わっていったか。
    ・おみつさんの気持ちが分かるところに線を引いてくる。

 


 2時目  雪がたに引き付けられ、働いて買おうとするおみつさんの心情

 価値目標

   とてもはしい赤いつま皮雪げたを自力で働いて買おうとするおみつさんの決意を読み取る。

 技能目標

   おみつさんの雪下駄に対する気持ちを表す部分(ほしくてたまらない→すいつけられたように→なんとしてもあきらめきれな   い→呼びかけているように思われました)を指摘することができる。

 言語目標

   
空行と「−」の意味を指摘することができる。
              

<展 開>

1 前時の学習を想起する。

  ・おばあちゃんの話である。
     ・どこで いつ話しているのか。
     ・聞いている人は。どんなふうにして聞いているか。

2 学習課題を確かめる。

   おみつさんの気持ちはどう変わっていったか。

3 一人学びをし、考える。(本時の学習場面を読みながら)
  

     ・おみつさんがどんな人か外見から分かるところに線を引く。
   ・おみつさんの気持ちが分かる言葉をみつける。(家庭学習を確認する)
     ・この場面で大事なものは何か。

4 本時場面を詳しくよむ。


(1) おみつさんはどんな人か
    ・特別美しいわけではない
    ・体がじょうぶ、気立てがやさしい、いつもほがらか、くるくると働く
       ・村中の人たちから好かれていた

(2) この場面の大事なものは
    ・雪げたの様子が描かれている部分を視写する。

(3) おみつさんの雪げたに対する気持ちを読み取る。
    ・目についた
       ・ほしくてたまらなくなりました
    ・すい付けられたように
       ・なんとしてもあきらめきれない
       ・雪げたがよびかけているように

5 学習のまとめをする。

   ・会話文に気を付けながら音読しよう。

6 
次時の学習と家庭学習

  ○わらぐつを作るおみつさんの様子と気持ち
    
・わらを編んでいるおみつさんの気持ちが分かる文に線を引いてくる。


 3時目  懸命にわらぐつをつくるおみつさんの姿


 価値目標                

   心を込めてしっかりわらぐつを編むおみつさんの優しさ・誠実さを読み取る。

 技能目標

 
  わらぐつを編むおみつさんの人柄に対して感想をもつことができる。

 言語目標


   人柄が分かる言葉(はきやすいように、あったかいように、長持ちするように、しっかりしっかり)を指摘できる。


<展 開>

1 前時の学習を想起する。

  ・どんな雪げたでしたか。
  ・おみつさんは、どんな気持ちになりましたか。

2 学習課題を確かめる。


   わらぐつを編んでいるおみつさんの様子から、気持ちを考える。

3 本時の学習場面を音読する。  指名読


  ・読点、ダッシュ、文末表現に気を付けて読みましょう。

4 本時場面を詳しくよむ。


(1) おみつさんの意気込みを読み取る。

    ・おみつさんはなにをはじめましたか。
    ・「さっそく」「毎ばん」という言葉から、おみつさんのどんな気持ちが分かりりますか。

(2) わらを編んでいるおみつさんの気持ちを読み取る。 
 
    ・わらを編んでいるおみつさんの気持ちが分かる文を発表する。
    ・視写する。
    ・どんなわらぐつを作ろうと思ったか、分かる部分を3つみつけなさい。→はきやすいように、あったかいように、長もちする     ように、。
    ・この思いは、どの言葉に置き換えることができるでしょうか。
      心を込めて
    ・どんなわらぐつができましたか。変な格好
    ・「上からつま先まで……この上なしです」を視写する。

(3) おみつさんの人柄を考える。

    ・どんな人柄か書きましょう。

5 学習のまとめをする。


   ・おみつさんの人柄について感じた事を書く。
   ・おみつさんの気持ちを考えて音読しよう。

6 
次時の学習と家庭学習

   ○
どんな考えで大工さんは、わらぐつを買ったのか。
     
     ・朝市でのおみつさんの気持ちが分かるところに線を引いてくる。   


 4時目  わらぐつが売れるまでのおみつさんの様子と気持ち

 価値目標

   からかいや冷たい視線にもめげず、なんとかしてわらぐつを売ろうとするおみつさんの意欲を読み取る。

 技能目標

 
  わらぐつが売れるまでのおみつさんの気持ちを表現に即して読み取ることができる。

 言語目標


   おみつさんの気持ちが分かる言葉(だめなのかなあ、おずおずと、うれしくてうれしくて)を指摘することができる。


<展 開>


1 前時の学習を想起する。


  ・おみつさんは、どんな気持ちで朝市に出掛けていきましたか。

2 学習課題を確かめる。


   どんな考えで大工さんは、わらぐつを買ったのか。

3 本時の学習場面を音読する。  指名読


  ・会話文に気を付けながら、正しくはっきりと読もう。

4 本時場面を詳しくよむ。


(1) わらぐつが売れるまでのおみつさんの気持ちを読み取る。
    ・直ぐわらぐつは、売れましたか。
    ・町の人達は、どんな態度でしたか。
    ・大工さんにわらぐつを差し出すときのおみつさんは、どんな気持ちだったでしょう。

(2) わらぐつを買った大工さんの人柄や考え方を読み取る。
    ・なぜ、買ったか分かるところに線を引く。
    ・視写する。
    ・なぜ、大工さんは、わらぐつを買ったのですか。
    ・大工さんは、どんな人ですか。
    ・わらぐつが売れたときのおみつさんの気持ちは、どうでしたか。

(3) 工夫して音読をする。

5 学習のまとめをする。


   ・おみつさんの気持ちを書く。
      わらぐつが売れたことに対して、大工さんに対して
   ・二人の気持ちが表れるように音読する。

6 
次時の学習と家庭学習


 5時目  若い大工さんのものの考え方、生き方とそれに引かれていくおみつさん
の心情

 価値目標

  
「いい仕事とは、相手のことを考えこころをこめてすることである」ということを読み取る。

 技能目標

  若い大工さんの仕事に対する考え方と、それに共感するおみつさんの心情をとらえ、二人の心の通い合いを読み取ることが   できる。

 言語目標

   会話文から、大工さんの仕事についての考えが分かる言葉(いい仕事は見かけで決まるものではない、使う人の身になって   使いやすくじょうぶで長持ちするように作る)を指摘することができる。



<展 開>

1 前時の学習を想起する。

  ・はじめてわらぐつが売れたときのおみつさんの気持ち波動だったでしょう。

2 学習課題を確かめる。


   二人の心が通い合ったのは、どうしてだろうか。

3 本時の学習場面を音読する。  指名読


  ・おみつさんの心の動きを考えながら読もう。

4 本時場面を詳しく読み取る。


(1) おみつさんの心の動きを読み取る。
    ・どんな気持ちで大工さんを待っていたのでしょうか。
    ・不思議に思ったおみつさんは、どうしたのですか。
    ・おみつさんのいった言葉の中から、人柄が分かる言葉に線を引く。

(2) 二人の心の通い合いを読み取る。
    ・大工さんは、なぜ、わらぐつを買ったのですか。
    ・大工さんの仕事に対する考えが分かる部分を視写する。
    ・おみつさんの様子が分かる部分を視写する。
    ・おみつさんがうなづきながら聞いたのはどうしてだろう。
    ・大工さんとおみつさんの考えの同じなのはどこですか。
    ・おみつさんは、大工さんのどんなところがたのもしくて、偉い人だと感じたのだろうか。
    ・大工さんは、いきなりしゃがみ込んで何と言いましたか。
    ・大工さんは、おみつさんのどんなところが気にいったのですか。
    ・「白い頬が夕焼けのようになった」のは、おみつさんのどんな気持ちが表れていますか。

5 学習のまとめをする。


   ・二人の心が通い合ったのはなぜか、まとめて書く。
   ・二人の気持ちが表れるように会話の部分を音読する。

6 
次時の学習と家庭学習



 6時目 マサエの価値観の変容


       わらぐつ(雪げた)の中にも神様がいるかもしれない

 価値目標 
   
   祖父母の話だったことが分かり、「わらぐつの中に神様なんかいない」というかんがえから、「雪げたの中にも神様がいるかも
   しれないね」と、変わっていくマサエの心の動きを読み取る。

 技能目標

 
  「パチンと手をたたいて、目をかがやかせました」「雪げたをかかえたまま」から、マサエの気持ちを読み取ることができる。

 言語目標


   「にも」の意味することを指摘できる。


<展 開>

1 前時の学習を想起する。

  ・1の場面は、2の場面は、……だったね。
  ・おみつさんが、ぶかっこうなわらぐつといったのに対して、大工さんは何と言いましたか。
  ・「いつまでもおれにつくってくれないか」と言われたとき、おみつさんはどうなりましたか。

2 学習課題を確かめる。


   「雪げたの中にも神様がいるかもしれないね」と、マサエの考えが変わったのはどうしてでしょう。

3 本時の学習場面を音読する。  指名読


  ・マサエの様子や気持ちが分かる文に注意しながら読もう。

4 本時場面を詳しくよむ。


(1) 大工さんのいった言葉の意味を考える。

    ・「心を込めて作ったもの」には、神様が入っているのと同じこと。
    ・「それを作った人」は、神様とおんなじ。
    ・「着てくれたら」、神様みたいに大事にする。
    ・「どうだい、いい話しだろ」というところから、おばあちゃんのどんな様子が分かりますか。

(2) 会話文を役割読みし、マサエの驚きをとらえる。

    ・「あっ」といったとき、マサエは、何に気付きましたか。
    ・「目を輝かせた」時のマサエの気持ちを考える。

(3) 雪げたを大事にとっておいたおばあちゃんの気持ちを考える。

    ・どうして、あの雪下駄がここにあるのですか。

(4) マサエの心の変化をとらえる。

    ・マサエの考えが変わったことが分かるところはどこですか。
    ・「おじいちゃんがおばあちゃんのために、せっせと働いて買ってくれたんだから、この雪げたの中にも、神様がいるかもし      れないね」の部分を視写する。
    ・「雪げたの中にも」の「にも」から何が分かりますか。わらぐつの中に神様がいる。
    ・どうしてマサエは、雪げたをかかえたまま玄関へ飛び出していったのでしょうか。

5 学習のまとめをする。


   ・マサエの気持ちを考えながら、心を込めて音読しよう。

6 
次時の学習と家庭学習

  
・「大事」という言葉にこめられていることは。

      「大事」に関係ありそうな言葉を、1つか2つ最後の場面から書いてくる。
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