お母さん方へ 1 ここで述べている学習方法は、普通の国語の授業では、このようなことを特別に取り上げては進めないと思われます。ですから、 2 子どもに無理をさせないように、1日の作業は30分以内にしてください。30分にならなくても子どもが興味を失ったようであれば 3 できれば、1年生の教材を同じやり方でからやってください。どこの教科書会社の教材をやってもやり方は同じです。いくつかの教 材をやると、大体の手法が身につきます。そしてから、自分の学年の教材に取り組んでください。 4 ゲームをしているような感じでやってほしいです。 |
準備するもの 1 教材(教科書) 鉛筆で書き込んだり、蛍光ペンで塗ったりしますので、コピーをしたほうがいいでしょう。教師によっては書き込みを嫌う人もいま 手元になければ、大きい図書館では、各社の教科書を展示していることがあります。それからコピーします。 また、図書館でなければ、教科書の出版社で面倒を見てくれると思います。 2 蛍光ペン 2本 基本的には何色でもかまいませんが、ここではピンクと黄色を選びました。 |
通読しながら、読めない漢字や意味の分からない言葉に鉛筆(後で消すため)で印(簡単なものを自分で決めていい)をつける。
読めない漢字には、聞いたり教材文の欄外を参考にして仮名を振る。読めるようになったら消す。
段落番号 | 文頭の言葉 | 重 要 語 句 | 文末表現 |
歌詞 | めだかの学校は | めだか | よ |
① | 春になると めだかは 体長は、 | めだか 小川や池の水面近く めだか 小さな魚 (めだか) 大人 | ます です ません |
② | めだかは 「たがめ」や 大きな魚や | めだか てき (めだか) てき (めだか) | ます です ます |
③ | <では> | めだか 身を守って てき | のでしょうか |
④ | 第一に 水面近くには | (めだか) 身を守ります 水面 (めだか) 水面 てき | ます からです |
⑤ | 第二に 近づいてきた | (めだか) 身を守ります (めだか) てき | ます です |
⑥ | 第三に 近づいてきた | (めだか) 身を守ります 小川や池のそこ てき (めだか) | ます ます |
⑦ | 第四に てきを <そして> | (めだか) 身を守ります めだか てき (めだか) てき | ます ます ます |
⑧ | めだかは めだかの体には | めだか 身を守って てき めだか たえられる | ません のです |
⑨ | 夏の間 <でも> 小さな | 水川や池 めだか 水たまり めだか たえられます 水たまり | ます です ます |
⑩ | いっぽう 大雨になると 大きな川から ふつう <しかし> 海にながされた | めだか 小川や池→大きな川 (めだか) 大きな川→海 真水 海水 めだか たえられる 真水 海水 めだか 海→川 | ます ます ます ます ます ます |
⑪ | 小川や池の <しかし> | めだか 小川 池 めだか 身を守り たえながら てき | ません のです |
全文を大きく3つ(はじめ・中・終わり、序論・本論・結論)に分けてみる。
はじめ→歌詞と①
中 →②~⑩
終わり→⑪
3 題・冒頭部分から、読みの視点をとらえる。
③で、「めだかは、そのようなてきから、どのようにして身を守っているのでしょうか」という疑問を出しているので、
この疑問の答えを探していく。
4 冒頭部分と結びとの関係を探る。
③ 「てき、身を守る」
⑧ 「自然のきびしさ たえられる」
⑪ 「てきから身を守り」 と 「自然のきびしさ たえながら」 の二つが、めだかが生きているちえと仕組みであると述べています。
5 段落の役割を考え、文章構成をつかむ。段 落 | 役 割 | 要 点 |
歌詞、①、② | 話題提示 | めだかの紹介(大きさ、楽しそうだが、てきがいる) |
③ | 問題提起 | てきからどのようにして身を守っているか |
④~⑦ | 答え | ・水面近くでくらす ・すばやく泳ぐ ・水をにごらせる ・集まって泳ぐ |
⑧ | 問題提起 | 自然のきびしさにたえる仕組みがある |
⑨~⑩ | 答え | ・40度近くの水温に耐えられる ・波図と海水が混ざっているところでもたえられる |
⑪ | 全体のまとめ | めだかは楽しそうに泳いでいるが、いろいろな方法でてきから身を守 り、自然のきびしさにたえながら生きている |
6 比較して考える。
何を比較するかという観点を見つけるのは、子どもにとってとても難しいので、指導者が提示して解決する面白さを感じ取らせます。
それには、指導者がいい観点を見つけなければなりません。これがなかなか難しいのです。
子どもが興味を持って取り組みそうな観点
文章にその回答がある観点、あるいは文章を手がかりに推測できるような観点。
タイプは2つあります。
1 どの教材にも共通する形式的な観点
この観点は、どの教材でも当てはまりますので、その教材で特徴的なものを取り上げます。
・文頭の言葉を比較する。
・段落のはじめの言葉を比較する。
・文末を比較する。
・重要語句を比較する。→ここまでは既にやってきています。
・呼称を比較する。
2 この教材でしか考えられない内容的観点
内容的観点は、その教材でしか解決できない観点です。この観点が最も子どもの興味を引き、思考力をつけます。
ところが、この観点を見つけやすい教材と見つけにくい教材とがあります。そこが指導者の腕の見せ所です。
(1) 「身を守る方法」を比較する。
類比の思考です。
てきから身を守る4つの方法を順次紹介し、こんなにもあるんだと子どもたちに思わせています。
④→水面近くで暮らす。
⑤→すばやく泳ぐ。
⑥→底にもぐって水をにごらせる。
⑦→群れを作って泳ぐ。
文の組み立てが、どの段落も同じです。
1文目で方法を提示し、2文目以降でその理由を述べています。
(2) 「自然のきびしさにたえられる特別な仕組み」を比較する。
対比の思考です。
渇水の時と、洪水の時を比較しています。
⑨渇水時→水たまりでも生きている。水温が上がっても40度近くまでたえられる。
⑩洪水時→川口まで流されても、海水にもたえられる。
子どもが内容を理解して、表現するいい訓練になります。
8 筆者の工夫
「のんびりしているように見えるめだかが、たくさんの敵から身を守るためにいろいろな知恵を働かせている」というすばらしさと、
「自然のきびしさにたえられる特別な体の仕組みを備えている」から、生きているのだということを分かってもらうための工夫が
施されている。
(1) ていねいなやさしいいいまわしをしている。
(2) 写真が効果的である。
9 筆者の感情・態度を表している語句を指摘する。
説明文であっても必ず筆者の気持ちを表す言葉が、「助詞、修飾語、文末表現、比喩等」にこめられています。
筆者は、子どもたちが、「こわいてき」から身を守るための知恵や「自然のきびしさ」を乗り越えるための体の仕組みに感心している。 マイナスイメージの言葉→てき、こわい、
10 段落の要点を「主語ー述語」の形でつかみ、要点をまとめる。
「何がどうした」をとらえ、それに「どのように」をつけたすと簡単な要点になります。
段落に文末がひとつしかない場合は簡単です。文の数が多くなるほど面倒ですから、そういう段落は、対象にしない方がい
いでしょう。
段落 | 役 割 | 要 点 |
歌詞 | 話題提示 | めだかが、おゆうぎしている。 |
① | めだかの説明 | めだかは、大変小さな魚です。 |
② | めだかの状況 | めだかは、いつもてきにねらわれている。 |
③ | 問題提起 | めだかは、てきからどのようにして身を守っているか。 |
④ | 答え1 | めだかは、水面近くでくらして身を守っている。 |
⑤ | 答え2 | めだかは、すばやく泳いで身を守っている。 |
⑥ | 答え3 | めだかは、水をにごらせて身を守っている。 |
⑦ | 答え4 | めだかは、集まって泳いで身を守っている。 |
⑧ | 問題提起 | めだかは、自然のきびしさにたえる仕組みがある。 |
⑨ | 答え1 | めだかは、40度近くの水温に耐えられ仕組みがある。 |
⑩ | 答え2 | めだかは、真水と海水が混ざっているところでもたえられ仕組みがある。 |
⑪ | 全体のまとめ | めだかは楽しそうに泳いでいるが、いろいろな方法でてきから身を守り、自然のきびしさにたえながら生きている。 |
<発展段階>
対象児童によってどの活動を選択するかは、指導者が決める。
1 部分を図表やイラストに書いてみる。
2 意味段落に小見出しをつける。
5 自分の感想や意見をもつ。
内容、構成、表現、筆者の意見などについての自分の考えを話したり、書いたりする。
6 発展読書をする。
似たようなもの、こと、材料、テーマを取り扱った本を読む。