お母さん方へ 1 ここで述べている学習方法は、普通の国語の授業では、このようなことを特別に取り上げては進めないと思われます。ですから、 2 子どもに無理をさせないように、1日の作業は30分以内にしてください。30分にならなくても子どもが興味を失ったようであれば 3 できれば、1年生の教材を同じやり方でからやってください。どこの教科書会社の教材をやってもやり方は同じです。いくつかの教 材をやると、大体の手法が身につきます。そしてから、自分の学年の教材に取り組んでください。 4 ゲームをしているような感じでやってほしいです。 |
準備するもの 1 教材(教科書) 鉛筆で書き込んだり、蛍光ペンで塗ったりしますので、コピーをしたほうがいいでしょう。教師によっては書き込みを嫌う人もいま 手元になければ、大きい図書館では、各社の教科書を展示していることがあります。それからコピーします。 また、図書館でなければ、教科書の出版社で面倒を見てくれると思います。 2 蛍光ペン 2本 基本的には何色でもかまいませんが、ここではピンクと黄色を選びました。 |
・ この、 その、 あの、 どの ・ ここ、 そこ、 あそこ、 どこ ・ こんな 、 そんな、 あんな、 どんな ・ これ、 それ、 あれ、 どれ ・ こう、 そう、 ああ、 どう ・ こちら、 そちら、 あちら、 どちら |
P21の絵→@とA 黄色い花が2本咲いている。
その右に、少ししぼんだ花がある。
左には、黒っぽい色になった花がある。
P22の絵→Aの後半 倒れている。形に注意 前の絵と比較
P23の絵→E
P24の絵→G
P25の絵→H
段落番号 | 文頭の言葉 | 重 要 語 句 | 文末表現 |
題 | たんぽぽ ちえ | ||
@ | 春になると | たんぽぽ 花 黄色 さく | ます |
A | 二、三日たつと、 <そうして> | たんぽぽ 花 くろっぽい色 しぼむ 花 (くろっぽい色) じく たおれる | ます ます |
B | <けれども> 花と こうして | たんぽぽ かれない (たんぽぽ) 花(くろっぽい色) じく やすませ たね えいよう たんぽぽ (花)(くろっぽい色) たね 太らせる | ません のです のです |
C | やがて | (たんぽぽ) 花 かれる 白いわた毛 | ます |
D | この たんぽぽは | (たんぽぽ) わた毛 らっかさんのように たんぽぽ たね わた毛 | ます のです |
E | このころになると <そうして> | (たんぽぽ) 花 じく おき上がる (たんぽぽ) (じく) のびて | ます ます |
F | なぜ それは | (たんぽぽ) (たんぽぽ) たね とおくまで わた毛 | のでしょう からです |
G | よく晴れて | (たんぽぽ) わた毛 らっかさん | ます |
H | <でも> それは | (たんぽぽ) わた毛 らっかさんすぼんで (たんぽぽ) たね わた毛 しめる | ます からです |
I | このように <そうして> | たんぽぽ ちえ (たんぽぽ) たね なかまをふやす | ます のです |
2 文章構成をとらえる。
全文を大きく3つ(はじめ・中・終わり)に分けてみる。
はじめ→@、 中→A〜H、 終わり→I
3 題・冒頭部分から、読みの視点をとらえる。
題から、「たんぽぽのちえ」はどんなちえだろう。
4 題と結びとの関係を探る。
題に、「たんぽぽのちえ」あり、それを受けて「このようにたんぽぽはいろいろなちえをはたらかせて、なかまをふやし ていく」と結んでいる。
5 段落の役割を考え、文章構成をつかむ。(問題提起、説明、例、意見、まとめ等)重要語句や文末表現を手がかりに段落の役割をつかみ、文章構造図を書いてみる。
これは高度な作業です。話し合いながら、指導者がまとめていきます。
2年生には無理があります。問題提示やまとめだけでいいと思います。
段 落 | 役 割 | 文 章 構 造 図 |
題 | 問題提示 | @ーA−BーC−D−E−F−G−H−I |
@ | 説明1 | |
A | 説明2 | |
B | 説明3 | |
C | 説明4 | |
D | 説明5 | |
E | 説明6 | |
F | 問題提示と答え | |
G | 説明7 | |
H | 説明8 | |
I | まとめ |
6 比較して考える。
何を比較するかという観点を見つけるのは、子どもにとってとても難しいので、指導者が提示して解決する面白さを感じ取らせます。
それには、指導者がいい観点を見つけなければなりません。これがなかなか難しいのです。
子どもが興味を持って取り組みそうな観点
文章にその回答がある観点、あるいは文章を手がかりに推測できるような観点。
タイプは2つあります。
1 どの教材にも共通する形式的な観点
この観点は、どの教材でも当てはまりますので、その教材で特徴的なものを取り上げます。
・文頭の言葉を比較する。
・段落のはじめの言葉を比較する。
・文末を比較する。
・重要語句を比較する。→ここまでは既にやってきています。
・呼称を比較する。
2 この教材でしか考えられない内容的観点
内容的観点は、その教材でしか解決できない観点です。この観点が最も子どもの興味を引き、思考力をつけます。
ところが、この観点を見つけやすい教材と見つけにくい教材とがあります。そこが指導者の腕の見せ所です。
(1) 花やじくの変化を比べる。
1 はじめに段落番号を書かせる。
2 段落に対応した「花」について書かせる。
@ 花はどうなっていますか。どんな花ですか。→さいています。黄色いきれいな花です。
A その花は、どうなりましたか。→しぼんで黒っぽい色になりました。
C やがてどうなりましたか。→かれて白いわた毛になりました。
D〜Iまでさがして、あったら白いわた毛と書きなさい。
Bがあいていますね。ここでの花はどうなっていますか( )して書きなさい。
3 「じく」がどうなっているか書かせる。
@に、じくのことが書いてありますか。→ありません。
Aにはどうですか。→あります。 どうなりましたか。→たおれました。
B〜Eまでじくがどうなったか探して書きなさい。
F〜Iまではじくのことがかいてありませんね。どうなっているのでしょう。→たっています。
@ではどうでしょう。→たっています。 ( )して書きなさい。
4 「たね」を探して書かせる。
「花」がかれて「白いわた毛」ができるのでしたね。後、何かできませんでしたか。→「たね」ができます。
「たね」と書いてある段落を探して書きなさい。
「たね」と書いていない段落がありますね。→@、A、C、E、F、Gです。
このうち、「たね」がかくれている段落はありませんか。→C、E、F、Gです。( )して書きなさい。
段落番号 | 花 | じ く |
@ | さいている 黄色いきれいな花 | (立っている) |
A | しぼんで黒っぽい色 | たおれる |
B | (しぼんで黒っぽい色) たね | たおれている |
C | すっかりかれて白いわた毛 (たね) | たおれている |
D | 白いわた毛 たね | たおれている |
E | 白いわた毛 (たね) | おきあがりのびていく |
F | 白いわた毛 (たね) | (立っている) |
G | 白いわた毛 (たね) | (立っている) |
H | 白いわた毛 たね | (立っている) |
I | 白いわた毛 たね | (立っている) |
7 比喩表現を指摘する。
何かにたとえて説明している言葉をさがしましょう。
見つけれない時は、段落を示してやる。
D、G、H「らっかさんのように」→わた毛の様子を落下傘にたとえている。
E「せのぎをするように」→じくが伸びていく様子を子どもたちが背伸びをする様子にたとえている。
F「せいを高くする」→草丈のことを擬人化して「背」といっている。
8 挿絵や写真にタイトルがないときは、自分でつけてみる。
子どもが内容を理解して、表現するいい訓練になります。やれるところだけやらせます。どこを対象にするかは、子どもに選 択させます。
9 筆者の感情・態度を表している語句を指摘する。
説明文であっても必ず筆者の気持ちを表す言葉が、「助詞、修飾語、文末表現、比喩等」にこめられています。
低学年では、無理ですから指導者が話して気づかせるようにします。
この教材では、特にありませんが、子どもたちに親しみもって教材を読んでほしいという気持ちで、身近な比喩を使ったり、 擬態語(ぐったりと、どんどん、ふわふわと、ぐんぐん)を多く使っている。
10 段落の要点を「主語ー述語」の形でつかみ、要点をまとめる。
「何がどうした」をとらえ、それに「どのように」をつけたすと簡単な要点になります。
段落に文末がひとつしかない場合は簡単です。文の数が多くなるほど面倒ですから、そういう段落は、対象にしない方がい いでしょう。
段 落 | 要 点 |
@ | ありはものがよく見えないのに、ありの行列が出来るのはなぜでしょうか。 |
A | アメリカのウイルソンがありの様子をかんさつしました。 |
B | さとうを見つけたありが巣に帰ったら、たくさんのありが列を作って砂糖のところにいきました。帰りも同じ道すじをきました。 |
C | いしをおいたらありはばらばらになりました。道を見つけたアリたちが砂糖を持って帰りました。また、行列が出来ました。 |
D | ウイルソンは、何か道しるべがあると考えました。 |
E | 研究したら、においのあるえきを出すことが分かりました。 |
F | ウイルソンは、ありの行列が出来るわけを知ることができました。 |
要点をまとめることは大変難しいことです。特に詳しく説明している実験・観察などは、大人でも面倒です。それを子 どもたちに要求するのは無理があります。できる子以外の子にとっては大変苦痛です。国語嫌いの子どもを作ってし まいます。
簡単な段落(@、A、F)だけやらせるようにしましょう。後はやらなくていいです。できる子に話させるか、指導者が 説明すればそれでいいです。
11 全文の要旨をまとめ、筆者の願いについて考える。
この学年では無理ですから、指導者が話してやります。
<指導者の参考に>
以下の言葉は低学年では無理ですから、指導者が適切に選択して取り上げるための参考にしてください。
12 表現技法を調べる。(比喩、擬人、倒置、省略、反復)
(題、論の展開、文末表現、例の内容・順序、表現技法、語句の使い方等)
筆者は、対象学年の子どもたちが興味を持って読み進めるためのいろいろな工夫を凝らしています。
低学年にあっては、指導者・教師が中心となって誘導します。
14 筆者の感情・態度を明らかにする。(指導者・教師が中心となって誘導する)
説明的文章には、そのことに対する筆者の感情、感動、態度が必ず含まれています。文、修飾語、助詞、文末
表現、比喩などから、筆者の感情、感動、態度を探り、物事に対する見方、考え方を学んでいくのです。
筆者の感情・態度は、は直接表現されている場合と間接的に表現されている場合があります。同じ物事を表す時
に、なんという言葉で表現するかということ
です。例えば、「チチオヤ」を「父、父親、お父さん、父さん、パパ、おや
じ」などと呼びますが、どの言葉を使うかによってその人物とチチオヤとの関係や気
持ちがが推測できます。
また、間接的に表現されている場合は、修飾語に筆者がどんな言葉を使っているかで分かります。そのことに好意
を持っていればプラスイメージの言葉を使い、好意を持っていなければマイナスイメージの言葉を使っています。
プラスイメージの言葉とは、誰もがいい感じを持つ言葉のことです。
例えば、「きれいな花」と「みすぼらしい花」では、その人物がその花に対してどんな感情を持っているか分かります。
<発展段階>
対象児童によってどの活動を選択するかは、指導者が決める。
1 部分を図表やイラストに書いてみる。
2 意味段落に小見出しをつける。
5 自分の感想や意見をもつ。
内容、構成、表現、筆者の意見などについての自分の考えを話したり、書いたりする。
6 発展読書をする。
似たようなもの、こと、材料、テーマを取り扱った本を読む。