ありの行列     光村図書 3年
  お母さん方へ

 1 ここで述べている学習方法は、普通の国語の授業では、このようなことを特別に取り上げては進めないと思われます。ですから、
   このやり方をしたからといって、学校の授業に支障が出ることはありません。むしろ、学校の授業の基礎的なことがらですので、 
   大変参考になると思います。

 2 子どもに無理をさせないように、1日の作業は30分以内にしてください。30分にならなくても子どもが興味を失ったようであれば
   その時点でやめてください。どこまで進むかは、子どもの意欲によります。この教材をするのが何日かかってもかまいません。
   大体10日間と考えてください。最もどんどん進むのはかまいません。慣れてくれば速くなります。

 3 できれば、1年生の教材を同じやり方でからやってください。どこの教科書会社の教材をやってもやり方は同じです。いくつかの    教材をやると、大体の手法が身につきます。そしてから、自分の学年の教材に取り組んでください。
   現在はまだ、1年生教材を提示できていませんが、やがて提示する予定です。

 4 ゲームをしているような感じでやってほしいです。

  準備するもの

1 教材(教科書) 

  鉛筆で書き込んだり、蛍光ペンで塗ったりしますので、コピーをしたほうがいいでしょう。教師によっては書き込みを嫌う人もいま   
  す。

  手元になければ、大きい図書館では、各社の教科書を展示していることがあります。それからコピーします。

  また、図書館でなければ、教科書の出版社で面倒を見てくれると思います。

2 蛍光ペン 2本

  基本的には何色でもかまいませんが、ここではピンクと黄色を選びました。



<基礎段階>


 0 題だけ読んで何のことが書いてあると思うか考えさせる。

   「ありのこと」と答えれればそれでいい。
      題から内容を予想する習慣をつける。

 1 全文を読む  学習方法1

    原則は、黙読ですが、低学年は、音読→微音読→黙読と進みます。

  通読しながら、読めない漢字や意味の分からない言葉に鉛筆(後で消すため)で印(簡単なものを自分で決めていい)をつける。

  読めない漢字には、聞いたり教材文の欄外を参考にして仮名を振る。読めるようになったら消す。

 
 2 形式段落に鉛筆で番号をつける。  学習方法2

    ①~⑨
 
 3 つなぎ言葉(接続語)に鉛筆で、<   >をつける。学習方法3

   ③そして、 ④すると、そして ⑥そこで すると ⑧そして
 
 4 こそあど言葉(指示語)を鉛筆で囲む。 学習方法3

   ① その ②この ③その、これ、その、④この ⑤これら ⑥それは ⑦この ⑧この、その、その、その 
 
 5 題を手がかりに何の言葉が書いてあるか考える。  学習方法7

    ・ 何のことが書いてあるか。→ありの行列。ありの行列ができるわけ。
 
 6 重要語句(大事な言葉)を指摘し、蛍光ペンで塗る。  学習方法8、9

  (1) 題にある言葉。
     「あり」(ピンク)と「行列」(黄色)

  (2) 題に関係ある言葉
    「あり」に関係(ピンク)→はたらき③、⑤、⑥、⑧

  (3) 頻出語句
    「あり」と「行列」
     えさ ①、③、④、⑧3回、⑨→同じ意味「さとう」 ③3回、④3回、
     えき ⑥、⑧2回
     におい ⑥、⑧3回、⑨

 7 文末表現を指摘する。  学習方法6

    全体が敬体
    ② と②のはじめの文、⑧、⑨が現在形。
    ③ ~⑦に過去形「~た」→したことを述べているから。
    この中にも現在形が含まれている。
    問題を出している文→①なぜ、・・・のでしょうか。
    答えの文→⑨わけです。
  
 8 挿絵の内容を示してしている段落を指摘する 学習方法15

    P40の挿絵→①
    P41の挿絵→③
    P42の挿絵→④
    P43の挿絵→④ ありの行く先としてのさとうのかたまり
    P44の挿絵→⑨ 行くありと帰るありに注意させる




<整理段階>


<シート>

 記入の指導
 
 1 文頭の言葉を書く。ある程度の区切りで
   
つなぎ言葉に< >をつける。
    ①それなのに、③すると、そして、④すると、そして、⑥そこで、すると、⑧そして

 2 文頭に対応する文末表現を書き抜く。

 3 題から重要語句を文頭に対応する行に書き抜く。
  「あり」→ピンクで塗る。
ここでは目立たないので赤色で表記します。
  「行列」→黄色で塗る。ここでは目立たないので青色で表記します。

 4 関係語句を指摘する。
   「あり」に関係する語句を書き抜く。→えさ、さとう、えき、におい
   「行列」に関係する語句を書き抜く。→道しるべ、列

 5 欠落しているところを補う。→思考の段階です。
   (あり)、(えさ)


 <シート>
              「ありの行列」
                                             大滝 哲也

段落番号  文頭の言葉      重 要 語 句 文末表現
 ①夏になると
その行列は
ありは
<それなのに>
あり                                行列
あり    えさ                          行列 あり
あり                                行列
ます
ます
ません
のでしょうか
 ② アメリカに
この人は

あり
ます
ました
 ③はじめに
しばらくすると
これは
ありは
<すると>
<そして>
ふしぎなことに
あり   (えさ)  さとう
あり   (えさ)  さとう
はたらきあり   えさ
あり
はたらきあり
(あり)  (えさ)  さとう                   列
あり                               行列
ました
ました
です
ました
ました
ました
のです
 ④ 次に
<すると>
ようやく
<そして>
そのうちに
まただんだんに
目的地に
帰るときも
ありの行列は
あり                        道すじ
あり                                行列
あり                         道
(あり)  (えさ)  さとう 
あり                         道
あり                                行列
あり   (えさ)  さとう
(あり)                       道すじ   行列
あり   (えさ)  さとう                  行列 
ました
ました
ました
ました
ました
ました
ません
ません
ました
 ⑤ これらのかんさつ   はたらきあり                   道しるべ
ました
 ⑥<そこで>
<すると>
それは 
はたらきあり
あり              えき
                 えき  におい   
ました
ました
です
 ⑦ この研究からあり                                   行列ました
 ⑧ はたらきありは
ほかのはたらき
<そして>
そのため
はたらきあり えさ     えき        道しるべ  
はたらきあり             におい       行列
はたらきあり えさ     えき
         えさ          におい 
のです
ます
のです
ます 
 ⑨このように あり      えさ          におい        行列わけです



<思考段階>

 私たちは、赤ん坊のころから比較して考えるという思考方法を身につけ、その中で大きくなってきました。
例えば、りんごが2個あるとします。どちらか好きな方をとりなさいといわれると、その2個を比べて自分がほしい方をとります。
大きさ、色合いを比べて、大きくて色合いの好きな方をとります。りんごと柿があれば、自分の好きな方をとります。
比較の思考は、どちらかというと根源的な思考方法ということが出来ます。しかし、私たちは、これを思考方法というような意識
で使っていません。無意識に使っているに過ぎません。

 この「比較の思考」を意識的に学習に使おうとするものです。「比較の思考」の用い方を体得すると、国語の学習が情緒的では
なく論理的になってきます。論理の上に立った情緒的な学習になると、今まで感性の優れた子どもだけが得意な国語が誰でも
ある程度までは喜んで学習に取り組むようになってきます。


1 シートを見て考える。 

   全体をある観点からヨコ(水平)に比較していく。

 (1)文頭の言葉を比べる
    ・段落毎の文の数を意識させる。九つ→④ 七つ→③ 四つ→①、⑧ 三つ→⑥
      ③と④の段落が詳しくなっている。
    ・つなぎ言葉を指摘する。→表の<  >の言葉
    ・こそあど言葉を指摘する→①その、 ②この、③これ(は)、④その(うちに)、⑤これらの、⑥それは、⑦この(研究)、
                      ⑧その(ため)、⑨このように   
      
 (2)段落の始めの言葉を比べる。→段落の役割や内容を推察できる。
    ・ 「はじめに、次に」に着目
    ・ 「これらの」とあるから、2つのかんさつから。
    ・ 「この研究」とあるから、⑥が研究について書いてある。
    ・ 「このように」とあるからまとめている。
    ・ ③、④、⑥、⑧につなぎ言葉がある。
    ・ 何でアメリカが出てくるのか。
    ・ 問題を出している段落はどこでしょう。①なぜ・・・のでしょうか
    ・ 答えが書いてあると思う段落はどこでしょう。予想でいい⑦この研究から
    ・ こそあど言葉が多い。

 (3)文末表現を比べる。
    
・ 同じものを見つける。
     「ました」が多い。→ていねい体(敬体)の過去形の文末である。何かしたこと(ウイルソンが実験したこと)が書いてある。
     「た」で終っているのは、見たことやしたことがかいてあるから。
    ・違うものを見つける。
     「ません」「ませんでした」→否定です。
     「のです」→断定です。はっきりしたこと。
     「のでしょうか」→推測・問いかけです。
     「わけです」→訳が述べられている。
       以上の4つのパターン(ません、のです、のでしょう、からです)を覚えておくと、文末を見ただけでその段落の役割がだいたい
     分かります。

 (4)重要語句を比べる
    ・ 「あり」が、どの段落にもある。
    ・
「あり」と「あり」に関係する言葉(ピンク)がどの段落にもあり、ないのは②の一文だけ。
    ・ 「行列」と「行列に関係ある言葉」が、②と⑥以外に全部ある。
    ・ 「あり」に関係ある言葉として「えさ、さとう、えき、におい」がある。
    ・ このことから、ありのえさ、えきと行列のことが書いてあるようだ。
    ・「あり」と「行列」の両方の言葉がある段落は→①、③、④、⑦、⑧、⑨

    ・ ②、⑤、⑥は、「行列」とは直接関係ないことが書いてある。


    ・ まとめると
     ① には、「ありとえさ、行列」のことが書いてある。
     ② には、「アメリカのあり」のことが書いてあるのかな。
     ③ には、1つ目の「ありとえさ(さとう)、行列」のことが書いてある。
     ④ には、2つ目の「ありとさとう、行列」のことが書いてある。
     ⑤ には、③と④から「道しるべ」について書いてある。
     ⑥ には、新しく「えきとにおい」について書いてある。
     ⑦ には、研究から分かった「ありの行列」について書いてある。
     ⑧ には、「はたらきありとえさ、えき、においと行列」について書いてある。
     ⑨ には、まとめて「ありとえさ、におい、行列」について書いてある。
   ということになる。重要語句をつなげていくと各段落の「要点」になる。

 (5) 一番大事なのはどの段落だろう。
    
⑨らしい
 →「ありとえさ、におい、行列」という言葉があるし、一番最後だから。
  
 
 2 文章構成をとらえる。

   全文を大きく3つ(はじめ・中・終わり、序論・本論・結論)に分けてみる。  

   はじめ→①
      中 →②~⑧
    終わり→⑨

 3 題・冒頭部分から、読みの視点をとらえる。 

    題や冒頭部分(序論)を手がかりに、何のどんなことを説明しているか考える。

          「なぜ、ありの行列が出来るのか」

 4 冒頭部分と結びとの関係を探る。

   冒頭(序論)と結び(結論)を対比して、視点がどうまとめられているか考える。

    ①で、「なぜ、ありの行列が出来るのか」と提示し、⑨で、「においをたどって、えさの所へ行ったり、巣に帰ったりするので、

    ありの行列ができるというわけです」と結んでいる。

       冒頭と結びで、 「ありの行列」という言葉を繰り返して使っている。重要語句ということである。

 5 段落の役割を考え、文章構成をつかむ。
   (問題提起、説明、例、意見、まとめ等)

    重要語句や文末表現を手がかりに段落の役割をつかみ、文章構造図を書いてみる。 

    

段 落  役 割      文章構造図
 ①話題と問題提示       |ー③ー|
 ①ー②-|     |ー④-⑤-⑥-⑦ー⑧-⑨
       |ー④-|
 
 ②説明
 ③実験1
 ④実験2
 ⑤③と④のまとめ
 ⑥観察
 ⑦⑥のまとめ
 ⑧⑦の説明                                                                                                   
 ⑨問題の回答

   

  6 比較して考える。

  
   何を比較するかという観点を見つけるのは、子どもにとってとても難しいので、指導者が提示して解決する面白さを感じ取らせます。

   それには、指導者がいい観点を見つけなければなりません。これがなかなか難しいのです。

    子どもが興味を持って取り組みそうな観点

    文章にその回答がある観点、あるいは文章を手がかりに推測できるような観点。

  タイプは2つあります。

    1 どの教材にも共通する形式的な観点

      この観点は、どの教材でも当てはまりますので、その教材で特徴的なものを取り上げます。

       ・文頭の言葉を比較する。

       ・段落のはじめの言葉を比較する。

       ・文末を比較する。

       ・重要語句を比較する。→ここまでは既にやってきています。

       ・呼称を比較する。

    2 この教材でしか考えられない内容的観点

      内容的観点は、その教材でしか解決できない観点です。この観点が最も子どもの興味を引き、思考力をつけます。

      ところが、この観点を見つけやすい教材と見つけにくい教材とがあります。そこが指導者の腕の見せ所です。

  (1) 呼称を比較する。

       「あり」という言葉がある段落を見つけよう。→ぜんぶにある。
       「はたらきあり」はどうですか。→③、⑤、⑥、⑧
       ちがうありですか。→おなじありです。
       それなら、わざわざ「はたりきあり」と書かなくてもよかったのに、大滝さんはなぜここだけ「はたらきあり」と
       書いたか考えて見ましょう。自由に発表させる。→「みんなに詳しく知らせたかったから」という。

  (2)文末表現を比較する。

       文の最後が「た」で終っている段落を見つけよう。→②~⑦
       ①と⑧、⑨にはありませんね。何で終っていますか。→①「す、ん、か」  ⑧は全部「す」  ⑨「す」
       ②~⑦までが「た」で終っているのはなぜでしょう。→ウイルソンがしたことだから。

  (3)段落の重要語句を比較する。 

      「ありの行列」という言葉がない段落を見つけよう。→②、⑤、⑥
      この3つのうち1つにはあると思うのだが。どれでしょう。→⑤ 行列の関係ある「道しるべ」があります。
      そうですね。②には、ウイルソンが観察したということ。⑥には「におい」のことが書いてありますね。

    まだ考えるとあると思います。比較して考える面白さを感じさせてほしい。

 7 挿絵や写真にタイトルがないときは、自分でつけてみる。

   子どもが内容を理解して、表現するいい訓練になります。

 
 8 筆者の感情・態度を表している語句を指摘する。

   説明文であっても必ず筆者の気持ちを表す言葉が、「助詞、修飾語、文末表現、比喩等」にこめられています。

    ③ふしぎなことに
     ⑤とかんがえました

 9 段落の要点を「主語ー述語」の形でつかみ、要点をまとめる。

   「何がどうした」をとらえ、それに「どのように」をつけたすと簡単な要点になります。 

   「何がどうした」をとらえ、それに「どのように」をつけたすと簡単な要点になります。

    段落に文末がひとつしかない場合は簡単です。文の数が多くなるほど面倒ですから、そういう段落は、対象にしない方がい
     いでしょう。

段 落      要 点
 ①ありはものがよく見えないのに、ありの行列が出来るのはなぜでしょうか。
 ②アメリカのウイルソンがありの様子をかんさつしました。
 ③さとうを見つけたありが巣に帰ったら、たくさんのありが列を作って砂糖のところにいきました。帰りも同じ道すじをきました。
 ④いしをおいたらありはばらばらになりました。道を見つけたアリたちが砂糖を持って帰りました。また、行列が出来ました。
 ⑤ウイルソンは、何か道しるべがあると考えました。
 ⑥研究したら、においのあるえきを出すことが分かりました。
 ⑦ウイルソンは、ありの行列が出来るわけを知ることができました。

   要点をまとめることは大変難しいことです。特に詳しく説明している実験・観察などは、大人でも面倒です。それを

    どもたちに要求するのは無理があります。できる子以外の子にとっては大変苦痛です。国語嫌いの子どもを作って
    しまいます。

    簡単な段落(①、②、⑦)だけやらせるようにしましょう。後はやらなくていいです。できる子に話させるか、指導者が    説明すればそれでいいです。


<発展段階>

   対象児童によってどの活動を選択するかは、指導者が決める。

1 部分を図表やイラストに書いてみる。

2 意味段落に小見出しをつける。

3 筆者の考え・意見を書き抜く。 

4 目的にそって、部分や全文を要約する。

5 自分の感想や意見をもつ。

   内容、構成、表現、筆者の意見などについての自分の考えを話したり、書いたりする。

6 発展読書をする。

   似たようなもの、こと、材料、テーマを取り扱った本を読む。

7 簡単な説明的文章を書いてみる。








 


4 筆者の工夫をさぐる。

ていねいなやさしいいいまわしをしている。


7 挿絵の内容を説明している段落を指摘する。 学習方法15

5 筆者の感情・態度
 とくにプラスイメージの言葉は使っていないが、「ふしぎなことに」というそのものずばりの言葉を使っている。
あ りはよく見えないのに行列(この場合は、みんなが前者の後を適度な間隔で進み長い列を作ること)を作ることが出来るという不思議さを提示し、それを解明す るために学者が筋道を立てて実験・観察した努力(観察には膨大な時間がかかったものと思う)に感激して子供たちに伝えようとしている。





「ありの行列」指導メモ

2教材がある段階の指導メモである。「ありの行列」だけとして手直しすること。

  単元名    説明文  光村図書3年上

    ありの行列

  単元の目標
1 価値目標
  ・動物のからだの素晴らしさ(ヤドカリやありの生きていくための知恵)に感動するとともに、それらを
   解き明かしてきた学者に感心することができる。
2 技能目標
  ・接続語や指示語に注意して、段落ごとに大事なことを落とさずに読取り、要点を理解することができる。
3 言語目標
  ・文と文章の中における指示語や接続語の役割と使い方に気付くことができる。
  指導計画(8時間扱い)
   第1次  単元の概観                                           1時間
  第2次  「ヤドカリのすみかえ」                               2時間
   第1時  全文概観 文章構成 段落の役割 論の進め方
   第2時  内容精査 どうやって住み替えるか。筆者の感動
   第3次  「ありの行列」                                       4時間
   第1時  全文概観 文章構成 疑問
   第2時  内容精査 ウィルソンの実験・観察1 砂糖
   第3時  内容精査 ウィルソンの実験・観察2 大きな石
   第4時  内容精査と要旨 ウィルソンの研究・結果 
  第4次    単元のまとめ(人間のすばらしさと言語事項)          1時間

「ありの行列」の計画

1時目  全文概観 文章構成 疑問

《目 標》
  価値目標 ありの行列について興味をもつことができる。
  技能目標 文頭の語句を手がかりにして、文章構成の大体をつかむことができる。
  言語目標  指示語と接続語を指摘することができる。

《展 開》
1 前時までの学習を想起する。

2 学習課題を確かめる。 
   だれが、どのようなぎもんをもったのでしょうか。
3 全文概観
(1)何のことが書いてありますか。
(2)重要語句(あり、行列)に印をつける。
(3)段落毎に読んでいきながら、指示語と接続語に印をつける。
4 文章構成をとらえる。
(1)文頭の語句を視写する。
(2)重要語句を書き込む。
(3)文末表現を探る。
  ・ でしょうか
  ・ 考えました
  ・ 分かりました
  ・ 知ることができました
  ・ というわけです
  ・ 分かりました
5 第1段落から、だれが、どんな疑問をもったか読み取る。
    ・大滝さん、ウイルソン
    ・なぜ、ありの行列ができるのでしょうか。
6 学習のまとめをする。
  ・板書をもとに全文の概観をする。
7 次時の学習を知る。

2時目  ウイルソンの一つ目の実験・観察について
《目 標》
   ウイルソンは一つ目の実験・観察結果、はじめのありははたらきありが帰った道筋から、行列が外れて
   いないことに気付いて驚いたことを読み取りながら、要点をまとめる。
《展 開》
1 前時までの学習を想起する。
   大滝さんが疑問に思ったことはなんですか。
2 学習課題を確かめる。 
   はじめのじっけんやかんさつから、分かったことをまとめよう。
3 詳しく読み取る。
(1)2段落を読み取る。(ウイルソンについて知り、彼が実験・観察でどんなことを確かめようとしたのかを
             とらえる。)
  ・音読する。   一斉読  指名読
  ・実験・観察をした人はどこの国の何という人ですか。
  ・ウイルソンと筆者との関わりについて説明する。
  ・ウイルソンはなにを確かめたいのですか。
(2)3段落を読み取る。(ウイルソンが観察したことを書いた文の表現の違いを手掛かりに、3段落の要点を
             まとめる。)
  ・音読する。
  ・ウイルソンが初めに行った実験は、どの様な実験ですか。
  ・「はたらきありがしたこと」を書いてある文に線を引く。
  ・いくつありますか。発表する。
  ・各文の文末表現を比較する。
     共通点「……しました」
     主語を指摘する。
  ・「ふしぎなことに……いないのです」を視写し、他の文の文末表現と比較する。
  ・「道筋」とはどういうことですか。
  ・「道筋からはずれていない」とはどういうことですか。
  ・なぜ、ウイルソンはふしぎだと思ったのですか。
5 学習のまとめをする。
  ・板書をもとに要点をまとめる。
  ・要点に繋がる文を強調し音読する。 自由読 指名読    
6 次時の学習を知る。

3時目の1  ウイルソンの二つ目の実験・観察について
《目 標》
 価値目標
   ありの行列は、大きな石でその行く手を遮っても、道筋から外れることなく、餌がなくなるまで続き、
   巣に帰るときも行列の道筋は変わらないという事実を読み取ることができるようにする。
 技能目標
   書いてある事柄を、大事な点を落とさずに順を追って読み取り、要点をとらえることができるようにす
   る。
 言語目標
   接続語(すると)、時の経過を表す副詞(次に、ようやく、そのうちに)の意味や指示語(この)の指す
   言葉を理解したり、主語を指摘できる。

《展 開》
1 前時までの学習を想起する。
  ・前の実験でウイルソンは、なにをしましたか。
  ・観察して、どんなことが分かりましたか。
2 学習課題を確かめる。 
   ウイルソンは、どんな方法で観察をしたでしょう。そして、どんなことがわかったでしょう。
3 本時の学習場面を音読する。 4段落
   ウイルソンがどんなことをしたか、考えながら読みましょう。
4 詳しく読み取る。
(1)ウイルソンがしたことを読み取る。
  ・ウイルソンがしたことに線を引く。
  ・ありはどうなりましたか。
  ・散り散りになったありがその後どうなったか分かる文を視写する。
(2)ありが再び行列を作っていく様子を読み取る。
  ・ありのは、石の向こう側の道を直ぐ見付けましたか。
  ・砂糖に向かって進んでいったのはなにですか。
  ・他のありはなにをしているのですか。
(3)巣に帰るときのありの様子を読み取る。
  ・行列は、いつまでも続くのですか。
  ・巣に帰るときは、道筋はどうなるのですか。
5 学習のまとめをする。
  ・観察の方法
  ・分かったこと。
  ・感想を書く。
6 次時の学習を知る。

3時目の2  ウイルソンの二つ目の実験・観察について
《目 標》
   指示語や接続語に気を付けて、4段落について詳しく読み取る。

《展 開》
1 前時までの学習を想起する。
  ・ウイルソンは、なにについて観察しましたか。
  ・観察して、どんなことが分かりましたか。
2 学習課題を確かめる。 
   道すじに大きな石をおいてさえぎったらどうなるだろう。
3 本時の学習場面を音読する。 4段落
4 詳しく読み取る。
(1)大きな石をおいたらどうなったかを読み取る。
  ・「この道筋」の「この」とは、どの道筋のことですか。
  ・道筋にどうしたのですか。
  ・「行く手を遮る」とは、どうすることですか。
  ・「すると」の文を読んでください。
     主語は、  述語は、
  ・次の文を読む。
    「ようやく」とは、どれくらいのことですか。
  ・そして、どうなりましたか。
  ・他のありたちもどうしたのですか。
  ・「また」の文を読んでください。
     主語は、  述語は、
  ・目的地とは、どこのことですか。
(2)帰っていくときのことを読み取る。
  ・目的地に着いたありは、その後どうしましたか。
  ・「帰るときも」とありますが、後いつのことですか。
  ・ありのは、石の向こう側の道を直ぐ見付けましたか。
(3)ありの行列は、いつまでも続くことを読み取る。
  ・ありの行列は、いつまで続きましたか。
(4)4段落の大事なところを見付ける。
  ・中心文は、何番の文でしょう。
  ・視写する。
  ・要点をシートに書く。
5 学習のまとめをする。
  ・板書を読みながらまとめる。
  ・音読する。
6 次時の学習を知る。

4時目  ウイルソンの研究とその結果について  
《目 標》
 価値目標
   ありの行列のできるわけとありの行列のなくなるわけを読み取ることができるようにする。
 技能目標
   指示語(これらの、この研究から、このように)や接続語(そこで)に注意して、段落の要点を理解す
   ることができるようにする。
 言語目標
   接続語(すると)の役割と使い方に気付くことができるようにする。

《展 開》
1 前時までの学習を想起する。

2 学習課題を確かめる。  訳がどの段落に書いてあるか予想する。
                  
3 本時の学習場面を音読する。 5~9段落
   ありの行列が書いてある段落は、何番か。
4 詳しく読み取る。
(1)5段落を読み取る。
  ・「これら」の指示内容を指摘する。
  ・ウイルソンの考えの部分を指摘する。
(2)6段落を読み取る。
  ・研究の結果分かったことが書いてある文を指摘する。
  ・視写する。
  ・視写部分を元に考える。
    「すると」と「しかし」の対比
    「それは」の指示内容
(3)7段落を読み取る。
  ・ウイルソンはなにを知ることができましたか。
(4)8段落を読み取る。
  ・ありの行列ができる訳をまとめる。
    えきをつけながら帰る   道しるべ
    においをかいで  においにそって
(5)9段落を読み取る。
  ・ありの行列ができる訳が書いてある部分を指摘する。
  ・研究の結果分かったことをもう一つ指摘する。
     種類によって匂いが違う。
5 学習のまとめをする。
  ・ありの行列ができる訳をまとめましょう。
  ・ありの行列ができる訳が書いてある部分を音読する。
6 次時の学習を知る。
      「ヤドカリのすみかえ」と「ありの行列」から、人間のすばらしさを考えよう。

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